サブカル雑記(仮)

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「リズと青い鳥」は、希美とみぞれ、二人だけの物語なのか?

 

 「リズと青い鳥」では主人公である「希美とみぞれ」のふたりの物語が描かれています。しかし、本当にふたりだけの物語なんだろうか?ずっとそんな小さな疑問がありました。

 「希美とみぞれ」のふたりの物語とは別に、ずっと心に残っていたシーンがあります。それは「みぞれと梨々花」の合奏シーンです。ふたりの合奏曲は「みぞれと梨々花のオーボエ練習曲」としてサントラ「girls, dance, staircase」にも収録されており、その事実から、みぞれの物語に梨々花の存在がとても大切であったことが分かります。

 それでは、みぞれにとって梨々花はどのような存在だったのでしょうか?「希美とみぞれ」のふたりの物語からちょっと視点をずらし「みぞれと梨々花」の関係に注目してみたいと思います。

 梨々花は初めは全くみぞれの眼中にないモブキャラのような存在でした。しかし、振られてもめげない梨々花の想いを受け止めるように、みぞれの気持ちにも変化が訪れます。そして、みぞれが成長するきっかけを与えてくれる重要な人物のひとりになっていきます。

 みぞれの希美に対する切ないほどの片想い。勇気がなくて伝えられない想い。そんなみぞれが希美に抱いてきた同じような気持ちを、梨々花はいとも簡単に、ストレートにみぞれに伝えてきます。

 想いを口に出せず希美にただ憧れていただけの毎日から、梨々花から想いを伝えられることで、他人から憧れられている自分に気付く。一方向の想いが段々と双方向になる。そして、お互いの想いが通じあった結果として梨々花との合奏シーンがある。だからこそ、とても印象的でいつまでも心に残るシーンになっているんだと思います。

 その後の全体練習でのみぞれ自らの練習志願や、希美との大好きのハグで一歩踏み出す勇気をくれたのは、可愛い後輩である梨々花の存在に違いありません。 

 「リズと青い鳥」はふたりの物語ですが、「希美とみぞれ」ふたりだけの物語ではありません。私の心に残った「みぞれと梨々花」のふたりの関係にように、それ以外にも素敵なふたりの関係が描写されています。そういう観点で見るとまだまだ新しい発見があります。「リズと青い鳥」は奥の深い素敵な作品でした。